Article 量子情報科学:トラップされたイオンによる開放系量子シミュレーター 2011年2月24日 Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09801 量子系の制御は、基礎科学において関心を集めており、強力な応用と技術となる見込みがある。量子系の環境からの分離とそのダイナミクスのコヒーレントな制御ではめざましい進展が達成され、それはさまざまな物理系でのエンタングルメントの生成・操作によって実証されている。しかし、開放量子系では、環境との制御された結合による多粒子ダイナミクスの操作は、まだほとんど調べられていない。今回我々は、最大5個の量子ビット(キュービット)がある開放量子系をシミュレートする実験手段を実現した。トラップされたイオンによる量子計算アーキテクチャーを使い、マルチキュービットゲートと光ポンピングを組み合せて、コヒーレント操作と散逸過程を実行した。散逸過程を使ったエンタングルド状態の生成、コヒーレント多体スピン相互作用のシミュレーション、およびマルチキュービット観測量の量子非破壊測定によって、開放系ダイナミクスの操作能力が例証された。コヒーレントな操作に制御された散逸を加えることにより、この研究は開放系量子シミュレーション・量子計算の新しい見通しを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る