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生化学:標準的二本鎖DNA中に一過的に存在するフーグスティーン型塩基対

Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09775

ワトソン・クリック型塩基対を維持した標準的DNA二重らせん中の配列依存的な構造の差異は、DNAの認識やトポロジー、ヌクレオソームの配置に重要な役割を果たしている。核磁気共鳴緩和分散分光法をSMD(steered molecular dynamics)シミュレーションとあわせて用いることによって、標準的DNA二本鎖中のCAおよびTAの所で塩基配列特異的にワトソン・クリック型塩基対からの一時的な逸脱が起こり、少数の寿命の短いA・TおよびG・Cフーグスティーン塩基対が生じることを我々は観察している。転写因子に特異的に結合したDNA二本鎖や損傷を受けたDNA部位にフーグスティーン塩基対が見られることは、DNA二重らせんに、ワトソン・クリック型塩基対形成の範囲を超えた複雑な構造を可能にする手段として、励起状態のフーグスティーン塩基対が内在的にコードされていることを示している。ここで使われている方法は、一過的に生じる少数の核酸構造をとらえる新しい手法であり、このような核酸構造はゲノム中に多数に存在して、遺伝暗号の一過性の第二層となっていると推測される。

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