Letter 脳:うつ病の学習性無力感モデルにおける手綱核ニューロン上のシナプス強化 2011年2月24日 Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09742 うつ病の細胞基盤は、未解明の部分が多い。サルでの最近の研究で、前脳構造と中脳構造との間の交信を媒介する外側手綱核(LHb)のニューロンは、期待される正の報酬を受けられなかった際、または嫌悪条件(失望や悪い結果の予期など)が予測される刺激が与えられた際に、活動を高めることが示されている。LHbニューロンは、例えば腹側被蓋野(VTA)などの、報酬探索行動を制御し、うつ病にも関係しているドーパミンの豊富な脳領域に投射して、その調節を行っている。本論文では、うつ病の2種類の学習性無力感モデルで、VTAに投射しているLHbニューロン上の興奮性シナプスが強化されていることを示す。シナプス強化は、動物の無力行動と相関しており、シナプス前末端からの伝達物質放出確率増加によるものである。LHbへの求心性繊維を、うつ病患者に対して有効な場合があるプロトコルに従って繰り返し電気刺激して、伝達物質を枯渇させると、脳切片標本中のVTA投射LHbニューロン上のシナプス入力が顕著に抑えられ、ラット個体での学習性無力行動も大幅に軽減する。この結果は、LHbニューロンへのシナプス前活動の増大が、うつ病の学習性無力感齧歯類モデルに関与していることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る