Article 発生:胚性幹細胞の神経前駆細胞への分化に見られる自発的な移行 2011年2月24日 Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09726 胚性幹(ES)細胞の分化過程で、神経細胞への運命付けは内因的に備わった方向性であると一般的に考えられている。しかしながら、外因的な誘導シグナルに依存せずに神経細胞への運命を選ぶように未分化細胞を誘導する細胞内機構については、ほとんどわかっていない。本研究では、ジンクフィンガー核タンパク質Zfp521が、マウスES細胞の自発的な神経分化の促進に必要十分であることを示す。神経分化抑制因子BMP4の非存在下では、分化中のES細胞でZfp521の強い発現が自発的に誘導される。Zfp521を強制発現すると、BMP4存在下であってもES細胞は神経細胞に転換される。逆に、Zfp521を欠失したES細胞は、神経分化条件下でも神経細胞への転換を行わず、未分化な胚盤葉上層状態にとどまる傾向がある。Zfp521はコアクチベーターp300と共に働き、初期神経遺伝子を直接活性化する。したがって、ES細胞分化の胚盤葉上層状態から神経外胚葉前駆細胞への移行は、Zfp521の内因的発現と活性化因子としての機能に特異的に依存している。 Full Text PDF 目次へ戻る