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細胞:腫瘍に浸潤する調節性T細胞はRANKL–RANKシグナル伝達を介して乳がんの転移を誘発する

Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09707

炎症機構は、乳がんや前立腺がんのようにその原因に既存の炎症や感染が関与していないがんにおいてさえ、腫瘍形成や転移進行に影響を与える。例えば、前立腺がんの転移は、進行腫瘍へのリンパ球の浸潤、そして腫瘍壊死因子ファミリーに属する2つの因子であるRANKL(receptor activator of nuclear factor-κB[RANK] ligand)およびリンフォトキシンの発現上昇と関連がある。しかし、RANKLの供給源や転移におけるその役割は確立されていない。RANKLとその受容体であるRANKは、妊娠中にIKK-α(inhibitor of nuclear factor-κB kinase-α)を介して乳腺胞小葉細胞の増殖を制御する。IKK-αは、乳がん前駆細胞の自己複製や前立腺がんの転移に必要なプロテインキナーゼである。そこで我々は、RANKL、RANKおよびIKK-αが乳がん・乳腺がんの転移にも関与するかどうかを検討した。実際、がん原遺伝子Erbb2(Neuとしても知られ、ヒトの転移性乳がんで頻繁に増幅が見られる)を過剰発現する乳がん細胞でのRANKシグナル伝達は、肺転移に重要であった。Erbb2によって形質転換したがん細胞の転移拡大には、CD4+CD25+ T細胞も必要で、この細胞の転移促進のための主要な機能はRANKL産生であった。RANKL産生T細胞の大部分は、調節性T細胞によって産生される転写因子のFOXP3(forkhead box P3)を発現しており、マウスおよびヒトの乳がんでは平滑筋アクチン(SMA)+間質細胞に隣接して位置していた。肺転移のT細胞への依存は、外因性RANKLによって置換が可能で、この外因性RANKLはRANK+ヒト乳がん細胞の肺転移も誘発した。これらの結果は、腫瘍浸潤性CD4+ T細胞つまりFOXP3+ T細胞がヒト乳がんの予後に悪影響を与えることと一致しており、また、原発性乳がんの治療的除去にRANKL–RANKを標的とする治療を併用することで、再発性転移を予防できる可能性を示唆している。

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