Letter

進化:欧州の生命系統樹に気候変動が及ぼす影響

Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09705

21世紀の気候変動によって、多くの生物種が絶滅の危機にさらされやすくなり、その結果、生命の進化系統樹に影響が及ぶと予測されている。種の消失が系統樹の全体にわたってランダムに分布していない場合には、気候変動は進化史の不均衡な喪失につながる可能性がある。今回我々は、欧州全体の植物、鳥類、哺乳類の各群の系統的多様性に気候変動が及ぼす影響を予測した。2020年、2050年、2080年の気候の予測アンサンブルに見られる一致点と高分解能の系統樹を用いて、気候変動に対する種の脆弱性が、系統樹全体にわたって弱いクラスター状に分布することが明らかになった。種の脆弱性に見られるこのような系統的偏りは、ランダムな絶滅のモデルで予測されるよりも高い進化史消失には結びつかない。その理由は、気候変動に対して脆弱な生物種がそれ以外の分岐群に比べて、類縁種が少ないわけでも、類縁種との関係が近いわけでもないからである。系統的多様性の減少が大きいと予想されるのは欧州南部で、高緯度地方や高地では多様性の増加が予測される。しかし、増加で減少が相殺されることはなく、生命系統樹は欧州大陸全体での均一化の傾向に直面している。

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