Letter 進化:中国で見つかった、節足動物様の付属肢を持ち被甲を有するカンブリア紀の葉足動物 2011年2月24日 Nature 470, 7335 doi: 10.1038/nature09704 カンブリア紀の軟体性動物が良好な状態で保存されている化石産地(ラーゲルシュテッテン)は、後生動物の起源の解明に大きく貢献してきた。葉足動物は、カンブリア紀の海洋で多様化して繁栄した、特に興味深い動物群である。「脚を持つ蠕虫」のようなこの動物は、有爪動物(カギムシ類)および緩歩動物(クマムシ類)の両者に加えて、節足動物全般をも生じた可能性があるという点で、以前から大きな注目を集めてきた。本論文では、中国南西部の雲南省の澄江化石ラーゲルシュテッテン(カンブリア紀第3期)で発見された「被甲を有する」葉足動物として、新属新種のDiania cactiformisを報告する。この動物は、ほかの典型的な葉足動物と共通の特徴を持っているが、関節要素と見られる構造を持つ頑丈でおそらく硬化した付属肢を持つ点が特徴的である。そのため、肢の形態から判断すると、この動物は、我々が知るかぎりで、これまでに記録されているどの葉足動物よりも節足動物の状態に近い。系統発生解析では節足動物に近い派生的な位置に復元されたことから、この動物は真の節足動物への分岐点に近い段階の動物群に属すると考えられる。さらに、D. cactiformisは、節足動物化(arthropodization;肢の硬化)が、体の硬化(arthrodization)より先に起こったことを示している可能性がある。今回の化石をほかの葉足動物の付属肢の形態と比較することにより(Kerygmachela、Jianshanopodia、およびMegadictyonを参照)、この動物群が全体として側系統的であり、異なる分類群が節足動物化の異なる段階を示しているという仮説が補強される。 Full Text PDF 目次へ戻る