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細胞:テロメアの機能異常が、代謝とミトコンドリアの障害を引き起こす

Nature 470, 7334 doi: 10.1038/nature09787

テロメアの機能異常は、p53を介した細胞の増殖停止、老化やアポトーシスを活性化し、代謝回転の速い組織で進行性萎縮や機能低下を起こさせる。また、テロメア機能異常のもっと広い意味での影響は、静止状態に近い系も含めた多くの組織にわたって見られることから、造血幹細胞、心臓、肝臓で働く共通の機構を突き止めるためにトランスクリプトームネットワークの解析を行った。このような偏りのない研究によって、telomerase reverse transcriptase遺伝子(Tert)またはtelomerase RNA component遺伝子(Terc)にヌル変異を持つマウスでは、ペルオキシソーム増殖活性化受容体γコアクチベーター1αと1β(PGC-1αとPGC-1β。それぞれPpargc1a、Ppargc1bとも呼ばれる)と下流のネットワークが著しく抑制されていることが明らかになった。テロメアの機能異常に伴ってミトコンドリアの生合成とその機能が損なわれ、糖新生が低下し、心筋症と活性酸素種の増加が起こるが、これはPGCがミトコンドリアの生理過程と代謝の主要な調節因子であることと一致している。テロメア機能が異常な条件下で、TertあるいはPGC-1αを強制発現させるか、p53(別名Trp53)を生殖系列で欠失させると、PGCネットワークの発現、ミトコンドリア呼吸、心臓の機能、糖新生が相当度回復する。テロメアの機能異常はp53を活性化し、これがPGC-1αとPGC-1βのプロモーターに結合してその発現を抑制し、このようにしてテロメアとミトコンドリアの生物学的性質の間に直接的な結びつきが生じることが実証された。このテロメア–p53–PGC軸は臓器や代謝の異常の一因となっており、テロメア機能異常状態での生物の適応度を低下させていると考えられる。

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