Letter 材料:自然界で見られない高い屈折率を持つテラヘルツ・メタマテリアル 2011年2月17日 Nature 470, 7334 doi: 10.1038/nature09776 材料の電磁特性が天然物質で可能な限界を超えて実際に制御できるようになったのは、メタマテリアルの出現によっている。構造化された人工「原子」は多種多様であるため、これ以外では予想できないさまざまな物理現象の実現が期待されてきたが、その中で負の屈折率の実験的実現はこれまでの主な目標の1つだった。屈折率を正の高い領域に広げていけば、達成可能な屈折率のスペクトルが完成することになり、変換光学の設計の融通性が高まると考えられる。天然に存在する透明材料は、中赤外および遠赤外周波数にかなり高いピーク屈折率を示す硫化鉛やチタン酸ストロンチウムなどの数種の半導体や絶縁体を除いて、正の屈折率が小さい。メタマテリアルを使った以前の方法では、広帯域高屈折率を実現できなかった。広帯域高屈折率メタマテリアル構造について理論的な研究が行われたのはほんの最近のことだが、提案された構造は容易に実現できるものではない。今回我々は、強く結合したユニットセルから構成され、大面積自立型で折り曲げ自在のテラヘルツ・メタマテリアルで、きわめて高い広帯域屈折率が実現できることを示す。ユニットセル中の薄い金属構造で強い容量結合を通して実効誘電率を大幅に高め反磁性応答を低くすることによって、低損失を維持しつつ、38.6というピーク屈折率と20を超える低周波準静的値を、単層テラヘルツ・メタマテリアルで実験的に実現した。これらの単層メタマテリアルを自然に拡張したものとして、準三次元高屈折率メタマテリアルを作製し、33.2という最高バルク屈折率と準静的限界で約8という値を得た。 Full Text PDF 目次へ戻る