Letter 漁業:成功する漁業を推進させるのは、リーダーシップ、社会資本、および刺激策である 2011年2月17日 Nature 470, 7334 doi: 10.1038/nature09689 10億人の人々が主なタンパク質供給源として海産食品に依存しており、世界の動物性タンパク質全体の25%が漁業由来である。しかし、世界の魚類資源の3分の1は、乱獲もしくは枯渇状態にある。多くの研究者は、個別の事例研究を用いて、漁業者、管理者、科学者の三者による協同管理の結果は持続可能な漁業をもたらす場合が多く、それゆえ地域共同体を基盤とした共同管理によって「共有地の悲劇」を防ぐことができると主張してきた。しかしながら、共同管理の諸制度およびこのような諸制度内部での社会的、経済的、生態学的成功の諸条件の全般的かつ学際的評価は、現在のところ欠落している。本論文では、開発の程度、生態系、漁業の事業形態、および資源の型がさまざまな幅広い国々における130の共同管理されている漁業を検討した。成功に貢献している最も重要な要件は強いリーダーシップであり、それに続いて、個別または共同体の漁獲割当量、社会的結束、保護水面となることが見いだされた。あまり重要でない条件は、実施機構、長期の管理方針、および資源の生活史などである。漁業が最も成功していたのは共同管理の要件が8つ以上あった場合であり、このことは、これらの要件の数と成功の間に強い正の相関関係があること、またそれが管理規定の重複性によることを示している。この結果は、水産資源の管理を成功させ、それに依存する共同体の生計を確保するためには、漁獲量配分と保護水面からもたらされる保護利益という明快な刺激策と共に、優れた共同体リーダーとロバストな社会資本の存在がきわめて重要であることを実証している。この研究から、世界の漁業の大多数にとって唯一の現実的な解決策である共同管理が、世界の漁業が直面する諸問題の多くを解決できるという希望が得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る