Letter 構造生物学:基質と結合したAPC/CCdh1の構造からD-box共受容体であることが同定されたCdh1とApc10 2011年2月10日 Nature 470, 7333 doi: 10.1038/nature09625 大型の多量体である後期促進複合体(APC/C)による細胞周期制御タンパク質のユビキチン化は、姉妹染色分体分離や有糸分裂からの脱出を制御している。APC/Cの標的の選択は、分解モチーフ類の認識、主にD(destruction)-boxとKEN(Lys-Glu-Asn)-boxの認識により行われる。この過程には、コアAPC/Cサブユニットと共に、コアクチベータータンパク質(Cdc20またはCdh1)が関与することが知られているが、その基質認識とユビキチン化の構造基盤はわかっていない。今回我々は、単粒子電子顕微鏡法を用いて出芽酵母のAPC/Cについて調べ、D-boxペプチドと結合した、コアクチベータータンパク質Cdh1とAPC/Cの複合体(APC/CCdh1)の約10 Å分解能での低温電子顕微鏡マップを決定した。触媒と基質認識をあわせて行うモジュールが、APC/Cの中央のキャビティ内に位置していることがわかった。このキャビティは、Cdh1とApc10(以前に基質認識に関係があるとされていたコアAPC/Cサブユニット)や、Apc2のカリンドメインが集まって作られている。差マップから同定されたCdh1とApc10は、D-boxの共受容体を形成しており、これによってCdh1の位置がApc10のほうを向くように変わっている。NMR分光法を用いて、D-boxとApc10の間にApc10が直接かかわっているということと一致する。我々の結果は、D-box認識にコアクチベーターとコアAPC/Cサブユニットの両方がかかわっていることを合理的に説明しており、APC/Cによる基質認識と触媒の機構を理解するための構造的な枠組みを与えている。 Full Text PDF 目次へ戻る