Letter 量子情報科学:固体状態スピン集団におけるエンタングルメント 2011年2月3日 Nature 470, 7332 doi: 10.1038/nature09696 エンタングルメントは典型的な量子現象であり、量子中継器、量子情報処理、そして最も頑健な形態での量子暗号といった新規量子技術の大半に必要な要素である。溶液核磁気共鳴で使われるスピン集団は、量子制御技術の開発という観点からは重要であった。しかし、そこにはエンタングルメントが含まれないため、量子アルゴリズムの古典力学的なシミュレーションにすぎない。本研究では、同位体組成が制御されたリンドープシリコン中で、集団中の電子スピンと核スピンのエンタングルメントをオンデマンドで生成した結果を報告する。核分極を高めた31Pの電子スピン共鳴を、高磁場(3.4 T)、低温(2.9 K)で実施し、十分な純度の初期状態を得て、非古典的で不可分な状態を生成した。これは幾何学的位相ゲートに基づく密度行列トモグラフィー測定により確認された。その忠実度はこの磁場と温度における理想状態に対して98%であった。同時にエンタングルメント操作を高い忠実度で1010個のスピン対に対して行った。本研究により、シリコン系量子情報プロセッサーに不可欠な条件の1つであるエンタングルメント生成が達成された。 Full Text PDF 目次へ戻る