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細胞:ヒト赤血球の概日時計

Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09702

概日(約24時間)時計は、シアノバクテリアからヒトまでの多様な生物で、生理的協調に非常に重要な役割を担っている。真核細胞の概日時計の分子レベルでの作動機構について現在提唱されているモデルはすべて、転写–翻訳のフィードバックループに基づいている。時計の転写によらない作動機構は、哺乳類の系では研究が難しかった。我々は、この問題を回避するために、ヒト赤血球を用いる新しい分析法を開発した。赤血球は核(つまりDNA)を持たず、したがって転写を行えない。今回の結果は、ヒトでは概日振動に転写は必要ないこと、また、転写以外の現象だけで細胞の概日リズムを維持するのに十分であるらしいことを示している。非常によく保存されている抗酸化タンパク質のペルオキシレドキシンがほぼ24時間周期の酸化還元サイクルを示すことが、赤血球を用いて明らかになり、このサイクルは一定条件下(外部からの合図のない状態)では何日間も持続した。またこのリズムは同調可能(つまり環境刺激による調節可能)で、温度補償性があり、この2つは概日リズムの重要な特性である。今回の知見は、おそらくあらゆる真核細胞に転写による発振と転写によらない発振の相互依存性があることをはっきり示しており、より複雑な細胞時計モデルの作製を助けると考えられる。

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