Letter

工学:ハードティップ・ソフトスプリング・リソグラフィー

Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09697

ナノファブリケーションの方法はますます高価で装置集約的になりつつあるため、研究者には近寄りがたくなってきている。そこで別の方法として、走査プローブリソグラフィーがナノスケールの構造体の調製によく使われる手段となってきた。その理由の一部は、これが比較的安価で、高い解像度が得られ、また位置合わせ精度が既存のほとんどの技術より高いことである。しかし、カンチレバーを使う走査プローブシステムのスループットを高くしながら、それらの分解能と位置合わせ精度の利点を保つのは、当初からかなりの難問であった。カンチレバーアレイの設計は最近めざましく進展したが、このようなアレイは応用ごとに高度に特殊化し、高価で、実装が困難なことが多い。したがって、従来型のカンチレバーに頼った走査プローブシステムを使う、市販可能な製造法は考えにくいと言える。本論文では、エラストマー担体に載せた硬いシリコンティップアレイを使う、安価で拡張可能な、カンチレバーのないティップを利用するナノパターニング法について述べる。ハードティップ・ソフトスプリング・リソグラフィーと名付けたこの方法は、カンチレバーを使う走査プローブシステムのスループットの問題と、エラストマー・スタンプとティップを使うために生じる分解能の限界を解決する。これは材料やエネルギーを表面に送達して、センチメートルスケールの領域全体に50 nm以下の分解能で任意の形状パターンを生成できる。このハードティップ・ソフトスプリング・リソグラフィーは用途の広いナノリソグラフィー法であり、大学や企業の研究者の行うラピッドプロトタイピングに幅広く使われると考えられる。

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