Letter がん:マウスでインターフェロンγは紫外線と黒色腫発生を結びつける 2011年1月27日 Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09666 皮膚の悪性黒色腫は、非常に悪性度が高く、頻繁に化学療法抵抗性を示すがんであり、その発生率は上昇し続けている。疫学研究によれば、黒色腫の主な病理学的リスク因子は太陽光に含まれる紫外線(UV)の照射であり、特に小児期に、反復的に日焼け(日照性紅斑)を起こす量の照射を受けると最もリスクが高くなることが示されている。我々は、これらの疫学的知見をHGF/SF(hepatocyte growth factor/scatter factor)トランスジェニックマウスモデルを用いて実験的に実証した。このモデルでは、生物学的、遺伝学的、および原因論的基準においてヒトの黒色腫に類似した病期に従って進行する病変が生じるが、これは新生仔がUVAではなく、UVBを照射されたときにのみ起こる。しかし、UVBによって新生仔特異的に誘発される黒色腫発生の基礎となる機序は、いまだにほとんど明らかにされていない。今回我々は、in vivoでのUV照射後、蛍光によるメラノサイトの画像化および単離が可能なマウスモデルを作製した。我々は発現プロファイリングを用い、黒色腫を誘発できる量のUVBを照射した後に単離した、活性化された新生仔の皮膚メラノサイトには、免疫回避に関連した遺伝子をはじめ、明確で持続的なインターフェロン応答の特徴が認められることを示す。UVBに誘発されるメラノサイト活性化は、異常な増殖および転移を特徴とし、抗体によるインターフェロンγ(IFN-γ)の全身性阻害によって消失するが、I型インターフェロンでは消失しない。IFN-γは、ケモカイン受容体Ccr2のUVBにより誘導されるリガンドが新生仔皮膚に動員するマクロファージによって産生された。動員された混合皮膚マクロファージは、アポトーシスを阻害することで移植黒色腫の増殖を促進した。特に、IFN-γを遮断すると、マクロファージによって促進された黒色腫の増殖および生存が抑制されたことは重要である。IFN-γを産生するマクロファージは、調べられたヒト黒色腫の70%でも認められた。今回の結果は、IFN-γがメラニン細胞の生存/免疫回避を促進するという予想外の役割を持つことを明らかにし、一部の黒色腫患者で新規治療標的の候補となることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る