Letter 細胞:真核生物の一種では転写がなくても概日リズムが持続する 2011年1月27日 Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09654 概日リズムはあらゆる真核生物に存在し、哺乳類の睡眠/覚醒周期から植物の成長や光合成まで、行動、生理、代謝の数多くの局面を協調させている。この日周性時計機構を動かしているのは転写–翻訳のフィードバックループで、「時計」遺伝子の周期的な発現の産物が約24時間の周期で関連遺伝子の発現を調節すると考えられている。これにかかわる特異的転写成分は、系統発生的な界に応じて異なっている。単細胞のピコ真核藻類であるOstreococcus tauriは天然に最小化された時計を持つ。この時計には、朝に発現されるCCA1と夜に発現されるTOC1遺伝子がかかわる中心的な負のフィードバックループなどの、植物と共通する多くの特徴が見られる。しかし、最近の動植物での知見では、翻訳後に起こる調節が時計機構に大きく寄与していることが明らかになってきており、転写による調節の発振機能への寄与の見直しが待たれている。今回我々は、真核生物系統では、非転写調節機構だけで概日時計機能を維持するのに十分であることを明らかにする。ただしこの機構は、通常は転写成分と組み合わさって機能している。我々は、ペルオキシレドキシンタンパク質の酸化が転写とは無関係な周期性のバイオマーカーとなることを突き止めた。これは哺乳類でも周期性を示す。また、哺乳類の時計機構の薬理学的修飾物質が、Ostreococcusでも概日リズムに同じ影響を与えることを明らかにする。翻訳後調節機構に加えて少なくとも1種類の周期性マーカーは、転写による時計調節機構よりもよく保存されているらしい。シアノバクテリアの場合と同様に、最古の発振成分は本来は非転写成分であって、生物のすべての界にわたって保存されていると考えるのが妥当であろう。 Full Text PDF 目次へ戻る