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遺伝:インプリントされたGrb10の両親それぞれの対立遺伝子は異なる生理的および行動的機能を示す

Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09651

一方の親の対立遺伝子を選択的に発現させる遺伝子インプリンティングは、哺乳類のゲノムの一部に見られ、胚の発生でしばしば重要な役割を果たすだけでなく、エネルギー恒常性や行動などの出生後の機能にも影響を及ぼす。ある社会集団で、両親の対立遺伝子が不均等に発現する場合(繁殖成功度の分散や変動に性的偏りが見られる場合)には、インプリントされた遺伝子は社会行動を変化させるように進化する可能性があるが、そのような例はこれまでに知られていない。胚形成時に母方の対立遺伝子が圧倒的に多く発現するGrb10は、いくつかの受容体型チロシンキナーゼおよび下流のシグナル伝達分子と相互作用する細胞内アダプタータンパク質をコードする。今回我々は、脳内のGrb10は胎生期から成体期にかけて父方の対立遺伝子を発現し、この発現を阻害すると、社会行動の諸側面の中で特に社会的優位性が上昇することを示す。これは、父方のGrb10を欠失する動物では他の個体に対する毛づくろいが増えるという観察結果により裏付けられる。したがって、Grb10は、社会行動を制御するインプリントされた遺伝子の最初の例である。またこの遺伝子は現時点で、両親の対立遺伝子のどちらかが組織特異的に発現することがわかっている唯一の例でもあり、末梢で発現する母方の対立遺伝子が欠失した場合には、胎仔および胎盤の顕著な異常増殖が引き起こされる。したがって、Grb10は、異なる組織で両親のそれぞれに由来する2つの対立遺伝子のどちらかが働くことによって、生理的過程、胎児の発達および成体の行動に異なる影響を及ぼす、独特なインプリントされた遺伝子である。

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