Letter がん:エキソーム塩基配列解読により腎臓がんでSWI/SNF複合体の遺伝子PBRM1に突然変異が多いことがわかった 2011年1月27日 Nature 469, 7331 doi: 10.1038/nature09639 腎臓がんの主要な遺伝学的特徴は、最も一般的な組織学的病型である明細胞がん(ccRCC)でのVHLがん抑制遺伝子の不活性化である。最近行われたPCRに基づくエキソン塩基配列再解読による約3,500の遺伝子の大規模スクリーニングで、UTX(KDM6Aとも言う)、JARID1C(KDM5Cとも言う)、SETD2など、ccRCCに複数の新しいがん関連遺伝子が見つかった。これらの遺伝子はヒストンH3の重要なリジン残基を脱メチル化(UTX、JARID1C)あるいはメチル化(SETD2)する酵素をコードしている。ヒストンH3のこうしたリジン残基のメチル化状態の変更は、クロマチン構造を調節し、転写制御にかかわっているものと思われる。しかし、これらの突然変異をあわせてもccRCCの15%以下にしか存在せず、これらとは異なる未知のがん遺伝子が存在することが示唆される。本研究では、一連の原発性ccRCCについてタンパク質をコードしているエキソームの塩基配列解読を行い、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体の遺伝子であるPBRM1を、ccRCCの2番目に主要ながん関連遺伝子として同定したことを報告する。この遺伝子の切断短縮型変異は症例の41%(92/227例)に見られる。このデータはさらにccRCCの体細胞遺伝子構造を解明するとともに、異常なクロマチンの生物活性が著明に寄与していることを強調している。 Full Text PDF 目次へ戻る