Letter 光学:単一分子画像化により15ナノメートルのホットスポットの電磁場を調べる 2011年1月20日 Nature 469, 7330 doi: 10.1038/nature09698 粗い金属表面に光を照射すると、ホットスポットが出現することがある。ホットスポットには、光がナノメートルスケールで集中し、強い電磁場が生じる。この現象は表面増強効果と呼ばれ、弱い化学信号の検出など、幅広い応用が考えられる。ホットスポットは、表面性状のランダム性に起因する局在電磁モードに関係があると考えられている。ホットスポットの電磁場を調べることによって、増強が起こる機構の解明に向けて多くの手がかりが得られるだろう。しかし、それには、光学分野でずっと以前からの難問となっている1〜2 nmの空間分解能が必要である。光学顕微鏡の分解能は、入射光の波長の約2分の1である200〜300 nm程度に制限される。近接場走査型光学顕微鏡、電子エネルギー損失分光、カソードルミネッセンスイメージング、2光子放出画像化法などの現在の最先端技術によればサブ波長分解能が得られるが、これらの技術は、摂動量が無視できないためデータ解釈が複雑になるか、あるいは真空中でしか稼働しない。結果として、表面増強効果の発見から30年以上経っても、局所場がどのように分布しているのかはわからないままである。今回我々は、単一分子のブラウン運動を用いて局所場を調べる手法について報告する。この方法によって、アルミニウム薄膜表面と銀ナノ粒子クラスター表面における単一ホットスポットの蛍光増強プロファイルの二次元画像化が、1.2 nmまでの正確度で可能になる。これらの2つの系で、それぞれ最高54倍と136倍という強い蛍光増強が観測された。この強い増強は、ホットスポットのピークから指数関数的に減衰する局所場が、蛍光増強プロファイルにおいて支配的となっていることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る