Letter

化学:無溶媒環境でのアノマー効果の検出

Nature 469, 7328 doi: 10.1038/nature09693

アノマー効果は、6員環の糖が環のC1位に電気陰性置換基をもつ場合にみられる安定化を指す化学現象である。この立体電子効果は、多くの生体分子の三次元形状に影響を及ぼしている。これは、そのような糖にみられる環内酸素原子(O5)とC1置換基との相互作用(エンドアノマー効果)がかかわる古典的な様式ばかりでなく、電気陰性環外置換基とO5との類似の相互作用(エキソアノマー効果)を介しても現れることがある。しかし、この現象の基盤となる物理的起源は、まだ明らかになっていない。今回我々は、レーザー分光法とコンピューター解析を併用して、解析を混乱させる可能性がある外来因子のない環境である気相中で、単離した糖の2つのアノマーと短縮型ペプチドモチーフがかみ合うことを示す。(アノマーは、C1位の置換基の向きが異なる異性体である。)ペプチドとD-ガラクトースのαまたはβアノマーの間で形成される複合体は、構造的にほぼ同じである。しかし、各アノマーとペプチドとの相互作用の偏光強度は、大きく異なっている。自然結合次数の計算結果はこの観測結果を裏付けるとともに、エンドアノマー効果よりもエキソアノマー効果のほうが支配的であることを明らかにしている。ピラノース環のC1位とC2位の酸素原子(それぞれO1、O2)間の相互作用によって、糖のエキソ/エンド比は変わりうるので、糖のC2位の置換基の影響や生物学的効果の再評価が重要となることが、我々の結果から考えられる。

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