Article 生理:アーバスキュラー菌根での菌のリポキトオリゴ糖共生シグナル 2011年1月6日 Nature 469, 7328 doi: 10.1038/nature09622 アーバスキュラー菌根(AM)は、植物とグロムス菌との根における共生である。これは陸生植物に最も広くみられる共生であり、植物の水や無機栄養素の吸収力を増大させる。陸上生態系に極めて重要な役割を果たしているにもかかわらず、菌根形成に至る分子機構はようやく解明が始まったばかりである。最近得られた証拠では、AM菌が拡散性の共生シグナルを生産することが示唆されている。今回我々は、Glomus intraradicesが、単純なリポキトオリゴ糖(LCO)と硫酸化LCOの混合物である共生シグナルを分泌し、これがさまざまな種類の植物(マメ科、キク科、セリ科)のAM形成を促進することを明らかにする。マメ科植物タルウマゴヤシ(Medicago truncatula)では、これらのシグナルが共生DMIシグナル伝達経路を介した根の成長と分岐を促進する。これらの知見は、植物の根での内部共生にかかわるシグナル伝達機構の進化の解明をさらに進めるための手がかりとなり、その分子レベルでの解明を進展させるとともに、これらの強い活性をもつ天然物質の農業利用にも道を開くだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る