Article 脳:刺激報酬学習におけるドーパミンの選択的な役割 2011年1月6日 Nature 469, 7328 doi: 10.1038/nature09588 個体は、報酬と関連刺激に価値を与える複雑な脳内過程を用いて、選択と目標の順位付けを行う。パブロフ型条件付け学習では、それ以前には中立だった刺激が、報酬が予測されるようになると動機性を獲得し、引きつけられる望ましい誘因刺激になることがある。しかし、刺激が単に報酬の予測信号としてだけ働くのか、それとも誘因刺激としても働くのかは、個体によって異なる。したがって、刺激がどの程度選択を偏らせ、非適応的行動すら促進しうるかは、個体ごとに異なることになる。本研究では、エサ刺激への報奨動機付けの性質が異なるラットを用いて、神経伝達物質ドーパミンの刺激報酬学習での役割を調べた。報酬刺激が予測としてだけ有効なすべての型の学習では、正常なドーパミン伝達は必要でなかった。ドーパミンは、誘因の特徴が報酬刺激に結びついているような型の刺激報酬学習においてのみ働いていた。後者の学習を行う性向の強い個体では、報酬刺激は強い動機付けとして行動を制御するようになった。この研究結果から、衝動制御障害をもたらしやすいある型の刺激報酬学習に関する神経生物学的な手がかりが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る