Letter 物性:グラフェン端における原子ごとの分光 2010年12月23日 Nature 468, 7327 doi: 10.1038/nature09664 多くのナノスケールデバイスの特性は局所的な原子配置に敏感であるため、原子1個1個のスケールでの元素識別や電子状態分析がますます重要になっている。例えば、グラフェンは未来のデバイスの有望な候補と見なされているが、グラフェンで構成されるナノデバイスの電子特性は、主として端(エッジ)構造に支配される。グラフェン境界の原子配置は、透過電子顕微鏡法や走査トンネル顕微鏡法で調べられてきたが、これらのエッジ状態の電子物性はまだ原子分解能で確かめられていない。現在、単一原子レベルでの単純な元素分析は、環状暗視野像または電子エネルギー損失分光法によって実現可能であるが、炭素などの軽原子1個1個に関する分光学的微細構造情報は、信号が極端に弱く、電子ビームによって試料が損傷するために得ることができなかった。今回我々はこれらの難題を克服して、グラフェン境界におけるサイト特異的な単一原子分光を実証し、エッジ原子の電子構造および結合構造を直接調べることを可能にした。特に、1配位、2配位、3配位炭素原子を原子分解能で識別することができた。単一原子からいかに豊富な化学的情報が得られるかをエネルギー損失吸収端微細構造の分析を通して実証したことにより、我々の結果はさまざまなナノデバイスや個々の分子の局所的電子構造を探究する道を開くものとなろう。 Full Text PDF 目次へ戻る