Letter 細胞:神経伝達物質/ナトリウム共輸送体オルソログLeuTは、高親和性基質結合部位を1つだけもつ 2010年12月23日 Nature 468, 7327 doi: 10.1038/nature09581 神経伝達物質/ナトリウム共輸送体(NSS)は、1個または複数のナトリウムイオンと神経伝達物質の取り込みを共役させ、神経伝達物質をシナプス間隙から取り除く。NSSは化学シナプスの機能に不可欠であり、いくつもの神経疾患に関係していて、治療標的であるとともに非合法薬物の標的にもなっている。ロイシン輸送体LeuTは原核生物のNSSオルソログで、さまざまなナトリウム依存性およびナトリウム非依存性二次輸送体の原子構造と輸送の分子機構との関係を解明するモデル輸送体として用いられている。LeuTに、高い親和性をもつ基質結合部位が1つあるのか、2つあるのかについては、現在異論がある。LeuTの最初に報告された結晶構造と、その後に行われた機能研究および構造研究からは、S1部位と名付けられた高親和性の基質結合部位が中央部に1か所存在することの直接的な証拠が示された。しかし、最近行われた結合研究やフラックス測定、分子シミュレーション研究では、高親和性結合部位が2か所、すなわち中心部のS1部位と、細胞外に開いた前庭部分にあるS2部位が存在するというモデルに基づいて結果が説明されている。さらに、S1部位とS2部位とはアロステリックに共役しており、S1部位から基質が細胞質へと放出されるにはS2部位へのリガンド結合が必要であるという説も提唱されている。今回我々はこの論争を解決するため、等温滴定熱量測定、平衡透析、SPA(scintillation proximity assay)を用いて、野生型LeuTとS2部位変異体に対する基質の結合を直接測定した。さらに、取り込み実験も行って、推定S2部位とS1部位とのアロステリックな共役という説が、基質出入の速度論的性質を表すことができるかどうかを検証した。その結果、LeuTには中心部に位置する高親和性基質結合部位が1つだけ存在し、基質輸送は単純な単一基質反応の速度論によって説明可能であると、我々は結論した。 Full Text PDF 目次へ戻る