Letter

宇宙:遠方銀河における化学組成勾配の起源はガス降着である

Nature 467, 7317 doi: 10.1038/nature09451

初期宇宙内の銀河は冷たいガスの集積によって成長したと考えられ、これが星形成や星の質量成長の主な駆動力である可能性が最近示唆されている。冷たいガスは本質的に始原的なので、ヘリウムよりも重い元素の存在量(金属量とよばれる)が非常に少ない。もし冷たいガスが銀河中心に流れ込んでいれば、中心のガスは外側のガスに比べて全体的な金属量がより低くなるだろう。なぜなら、中心から離れたところにあるガスは超新星や恒星風によって金属が濃集し、始原的なガスによって希釈されないからである。本論文では、ビッグバンのわずか20億年後に相当する赤方偏移z ≈ 3の、回転で支えられている3つの星形成銀河全域の化学組成について報告する。中心の星形成領域が、あまり活動的ではない領域よりも低い金属量を示しているという「逆」勾配が見いだされた。これは、近傍銀河内で観測されるものとは逆であり、「低温流」モデルによって予想されるように、中心のガスが始原的なガス集積によって希釈されていると結論される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度