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気候:将来の気候温暖化に伴う北大西洋の極低気圧の頻度減少

Nature 467, 7313 doi: 10.1038/nature09388

毎冬、高緯度域の海洋は、気象を支配している総観規模の低気圧よりもかなり小さな強い嵐に見舞われる。強風と豪雨を伴う、このような急激に発達する中規模低気圧は、極低気圧とよばれ、航海や、石油やガスの探査などの、沖合での活動の脅威となる。しかし、極低気圧は規模が小さいため、大気の性質を調べる気候研究に用いられることが多い観測データや全球再解析データには十分に表現されておらず、将来の気候を予測する解像度の粗い全球シミュレーションでは評価できない。本論文では、将来の人為起源の温暖化した気候では、極低気圧の頻度が減少すると予測されることを示す。我々は、一連の領域気候モデルシミュレーションを用いて、気候変動に関する政府間パネルの一連の全球気候変動シナリオをダウンスケールした。この過程では、最初に北大西洋における極低気圧系の形成をシミュレートし、次に個々の事例を数えた。NCEP/NCARの再解析データを用いたこれまでの研究では、1948〜2005年の期間の極低気圧の頻度は系統的に変化しなかったことが明らかになっている。今回、21世紀末についての予測結果では、大気中の温室効果ガス濃度の増加に応答して、極低気圧の数がかなり減少し、平均的な発生領域が北へ移動することがわかった。この変化は、北大西洋の海面水温と対流圏中層の気温の変化に関連付けることができる。後者は前者よりも速く上昇するため、大気の安定度が増加し、極低気圧の形成と発達を阻害することがわかった。これらの結果から、ある種の極端な気象現象は増加するのではなく減少する可能性があるという、気候変化の影響の珍しい例が得られる。

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