Letter 発生:in vivoでのアポトーシスを起こした生殖細胞の除去におけるELMO1の予想外な必要性 2010年9月16日 Nature 467, 7313 doi: 10.1038/nature09356 アポトーシスとそれに続く死細胞の除去は、発生・発育期と成体の生涯を通してさまざまな組織で起こっている。アポトーシスを起こした細胞の除去が速やかに起こらない場合、多くの疾患につながる。ELMO1は進化的に保存された細胞質内の貪食タンパク質であり、ホスファチジルセリン受容体BAI1の下流で働き、DOCK1やGTPアーゼRAC1と共に、死細胞の取り込みを促進する。今回我々はELMO1欠失マウスを作製したが、意外なことに、この変異体は生存可能で極めて正常であった。しかしながら、精上皮の崩壊や多核化した巨細胞がみられ、アポトーシスを起こした生殖細胞が除去されず、精子産生量が減少するなど、精巣での著しい異常がみられた。次にin vitroおよびin vivoでの解析で、精上皮の内面を覆うセルトリ細胞によるアポトーシスを起こした生殖細胞の貪食除去に、ELMO1が極めて重要な役割をもつことが明らかになった。貪食受容体BAI1およびRAC1(それぞれELMO1の上流因子と下流因子)も、セルトリ細胞による貪食に重要であった。以上の結果をまとめると、アポトーシスを起こした生殖細胞のセルトリ細胞による除去にはELMO1が選択的に必要なことが明らかとなり、in vivoにおける貪食と組織恒常性の関係を示す説得力のある例が示された。 Full Text PDF 目次へ戻る