Review Article システム生物学:遺伝子回路でノイズが担う機能的役割 2010年9月9日 Nature 467, 7312 doi: 10.1038/nature09326 細胞機能を調節する遺伝子回路は、構成成分の量に生じる確率論的揺らぎ、すなわち「ノイズ」の影響を受ける。ノイズは、決して単なる邪魔者ではなく、重要な細胞活動で不可欠な役割を担っていることが認められつつある。ノイズは、微生物細胞と真核生物細胞の両方で機能しており、多細胞生物の発生や進化において機能を果たしている。また、広範囲にわたるレギュロンでの遺伝子発現の協調や、細胞集団全体にわたって機能する確率的な分化戦略も、ノイズによって実現可能となっている。最も長い時間スケールでは、ノイズは進化的変遷を促進している可能性がある。本論文では、ノイズ自体、ノイズの存在する遺伝子回路の構造、およびノイズによって可能となる生物学的機能の三者をつなぐ実例と、最近明らかになり始めた原理を概観する。さらに、提出されている重要な研究上の課題と好機のいくつかも示す。 Full Text PDF 目次へ戻る