Letter 生化学:Dna2–Sgs1–RPAによるDNA末端切除と、Top3–Rmi1とMre11–Rad50–Xrs2によるその誘発 2010年9月2日 Nature 467, 7311 doi: 10.1038/nature09355 相同組み換えによるDNAの二本鎖切断(double-strand break;DSB)の修復には、損傷した末端の処理が必要である。修復開始には、まずDSBによる切除で一本鎖DNA(single-stranded DNA;ssDNA)3′突出末端が生成されなくてはならず、これがDNA鎖交換タンパク質Rad51の基質となる。遺伝学的研究から、この過程にはヘリカーゼ群、ヌクレアーゼ群、トポイソメラーゼ群など多数のタンパク質が関与することが示されている。本研究では、切除過程の構成要素を生化学的に再構築し、ヌクレアーゼであるDna2、RecQファミリーヘリカーゼであるSgs1、およびssDNA結合タンパク質であるRPA(replication protein-A)が必要であることを示す。Dna2、Sgs1およびRPAは、in vitroでDNA切除能力をもつ最小限のタンパク質複合体を構成することが確認された。Sgs1ヘリカーゼはDNAを巻き戻して中間体を作り出し、それがDna2によって分解され、RPAの刺激によって種特異的な様式でのSgs1によるDNAの巻き戻しが起こる。興味深いことに、RPAはDNA切断箇所の5′末端鎖に対するDna2核酸分解活性の指示と、Dna2による3′→5′分解の抑制のどちらにも必要とされ、それぞれ3′ –ssDNA突出末端の生成と保護に働く。この中核機構に加えて、我々はトポイソメラーゼ3(Top3)とRmi1の複合体と、Mre11–Rad50–Xrs2複合体(MRX)が反応誘発的構成要素として重要な役割をもっていることを明らかにする。Top3–Rmi1ヘテロダイマーとMRXタンパク質群による末端切除の誘発は、Sgs1との複合体形成によるものであり、意外にもDNAの巻き戻しを誘発する。Top3–Rmi1とMRXは、Sgs1–Dna2複合体をDSBへ誘導するために重要であることが示唆される。今回の実験結果は、真核生物におけるDNA組み換え修復の初期過程を理解するうえでの機構的枠組みを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る