Letter 遺伝:RNA二次構造の酵母ゲノム全域での検出 2010年9月2日 Nature 467, 7311 doi: 10.1038/nature09322 RNA分子の構造は、その機能と調節に重要であることが多いが、ゲノム規模でRNA構造を調べる実験技術はこれまでなかった。今回我々は、RNA構造並行分析法(parallel analysis of RNA structure; PARS)という新しい方法を開発した。この方法は、構造特異的酵素で処理したディープシーケンシング用のRNA断片を使うもので、数千種のRNAの二次構造のin vitroプロファイリングをヌクレオチド1個の解像度で同時に行える。PARSを用いて出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeのメッセンジャーRNA(mRNA)の二次構造を解析し、3,000を超える、それぞれ異なる転写産物の構造プロファイルを明らかにした。これらのプロファイルの分析から、酵母の転写産物のRNA構造の特徴がいくつか明らかになった。例えば、コード領域には非翻訳領域に比べて多くの二次構造が存在すること、コード領域の二次構造に3ヌクレオチドの周期性がみられること、mRNAの翻訳効率と翻訳開始部位を含む構造との間に反相関関係がみられることなどである。PARSは他の生物にも容易に適用でき、さまざまな条件の下でRNA構造のプロファイリングができるので、ゲノム規模での二次構造動態の研究が可能になる。 Full Text PDF 目次へ戻る