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細胞:出芽酵母のATP依存性DNA末端切除装置の作用機構

Nature 467, 7311 doi: 10.1038/nature09318

DNA二本鎖切断(DSB)が正しく処理・修復されないと有害な染色体再編成が生じることがあり、最終的には腫瘍表現形の発現に結びつきかねない。DSB末端は細胞内で5′→3′方向に切り取られて一本鎖DNA(ssDNA)領域が生じ、そこにDNA損傷チェックポイント活性化と相同組み換えによる修復に必要な因子類が集められる。この切除過程には、ヌクレアーゼ、DNAヘリカーゼ、関連タンパク質からなる、複数の重複した経路がかかわっている。我々は、最近の遺伝学研究を参考にして、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のMre11–Rad50–Xrs2(MRX)複合体、Sgs1–Top3–Rmi1複合体、Dna2タンパク質、ヘテロ三量体のssDNA結合タンパク質RPAからなる、真核生物ATP依存性DNA末端切除装置を初めて再構成した。本論文では、末端切除の際のDNA鎖の分離はSgs1のヘリカーゼ機能によっており、これをTop3–Rmi1とMRXが促進することを明らかにする。Dna2ヌクレアーゼ活性は末端切除に不可欠だが、Mre11のヌクレアーゼ活性は不要であることがわかった。これは遺伝学研究の観察結果と一致する。top3-Y356F対立遺伝子とそのコードするタンパク質を調べたところ、Top3のトポイソメラーゼ活性は、交差組み換えの抑制には不可欠だが、細胞内においても再構成系においても、末端切除には不要であることの証拠が得られた。またこれらの結果から、DNAがほどけて生じたssDNAの隔離、5′鎖の切断の促進、3′鎖の保護などに、RPAが複数の役割を担っていることも明らかになった。この再構成系は、真核生物のDNA末端切除過程の複雑な機構を解明するモデル系として役立つだろう。

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