Article 遺伝:多様なヒト集団における高頻度の遺伝的変異とまれな遺伝的変異の統合 2010年9月2日 Nature 467, 7311 doi: 10.1038/nature09298 ヒトの疾患に影響を与える遺伝的変異の同定は大きく進んだにもかかわらず、大半の遺伝的リスクについては説明がなされていない。より完全に理解するためには、さまざまな祖先をもつ複数の集団で、あまり頻度の高くない対立遺伝子を十分に検討する全ゲノム研究が必要である。今回我々は、そのような研究の設計と解釈についての情報を提供するために、世界の11の集団に属する1,184人の参照群で、高頻度の一塩基多型(SNP)160万個の遺伝子型決定を行い、また、そのうち692人で10か所の100キロベース領域の塩基配列を決定した。この高頻度の対立遺伝子とまれな対立遺伝子の統合データセットは、「HapMap 3」とよばれ、SNPとコピー数多型(CNP)の両方を含んでいる。我々は、低頻度変異間の集団特異的な差異の特徴を明らかにし、より大きな参照群によって達成されたインピュテーション(imputation;コンピューターによる遺伝子型予測)の精度向上を評価し(特に、マイナー対立遺伝子頻度が≤5 %であるSNPのインピュテーションを行った場合)、また、新たに発見されたCNPやSNPのインピュテーションの実行可能性を示した。世界の各種集団におけるゲノム変異の公的なリソースがこのように拡充することで、ゲノムの多様性やそのヒト疾患への関与のより踏み込んだ研究が後押しされ、また、ヒトの遺伝的多様性の全体像をつかむ高解像度マップの作製に向かって一歩進むことになる。 Full Text PDF 目次へ戻る