Article 地球:北米クラトンのリソスフェアにみられる層状構造 2010年8月26日 Nature 466, 7310 doi: 10.1038/nature09332 クラトン(地球の大陸地殻の極めて安定な領域)がどのようにして形成され、25億年以上にわたってほとんど変化しないままでいたかについては盛んな議論が続いている。最近の地震波レシーバー関数データの研究によって大陸クラトンの下に構造境界が検出されたが、浅すぎるため、地震波トモグラフィーなどの地球物理学的研究から推測されるリソスフェア–アセノスフェア境界とは一致しない。本論文では、深さによって方位異方性の方向が変化することは、北米大陸の安定した部分全体にわたる2つの異なるリソスフェア層の存在を示していることを明らかにする。上側の層は始生代の中心部の下では厚く(約150 km)、その周囲の古生代境界に向かってしだいに薄くなっている。この厚さの変化は、捕獲岩の温度気圧解析から推測される極めて枯渇した層の変化に従っている。リソスフェア–アセノスフェア境界は比較的平らであり(深さ180〜240 kmにわたっている)、化学的に枯渇した層の周囲に後に形成された熱伝導率の高い層の存在と一致している。この発見は、北米のクラトン・リソスフェアの地震学的、地球化学的および地球ダイナミクス的研究を互いに結びつけている。また、レシーバー関数研究で検出された水平面は、よりなだらかなリソスフェア–アセノスフェア境界ではなく、急なリソスフェア中部の境界に対応していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る