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植物:アブラナ科植物の自家不和合性ではトランス作用性の低分子RNAが優性関係を決定付ける

Nature 466, 7309 doi: 10.1038/nature09308

二倍体生物は、ひとつひとつの遺伝子を2コピーずつもっており、そのそれぞれは両親から1コピーずつ受け継がれたものである。受け継がれた2つの対立遺伝子の発現は、優劣性関係という作用によって不均等となる場合があり、それがその生物の最終的な表現型を決定付けている。こうした関係の基礎となっている機序を追究するため、我々は、アブラナ科植物(Brassica)の自家不和合性の雄性決定因子をコードするSP11S-locus protein 11 genes)の単一対立遺伝子性発現を調べた。我々は既に、一部のSヘテロ接合体ではSP11の発現が単一対立遺伝子性であり、葯タペート組織では劣性のSP11対立遺伝子のプロモーター領域が特異的にメチル化されていることを明らかにしている。本論文では、このメチル化がトランス作用性の低分子非コードRNA(sRNA)によって制御されていることを示す。優性SP11対立遺伝子の隣接領域には、劣性SP11プロモーターに類似した逆方向反復配列が見いだされた。この配列は葯タペート組織で特異的に発現し、SP11メチル化誘導因子(Smi)という24ヌクレオチドのsRNAを生じた。Smiのゲノム領域を劣性Sホモ接合体に導入すると、劣性SP11対立遺伝子のプロモーターのメチル化が引き起こされて、その転写が抑制された。これは、優性対立遺伝子の隣接領域にコードされるsRNAがトランスに作用して劣性対立遺伝子の転写サイレンシングを誘導することを示す例である。今回の知見は、広く存在する単一対立遺伝子性の遺伝子発現系に関する新たな手がかりをもたらすものと考えられる。

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