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生化学:プロピオニルCoAカルボキシラーゼのα6β6ホロ酵素の結晶構造

Nature 466, 7309 doi: 10.1038/nature09302

ミトコンドリアのビオチン依存性酵素であるプロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC)はThr、Val、IleやMetなどのアミノ酸、コレステロールや奇数個の炭素原子をもつ脂肪酸の異化に必須である。ヒトでのPCC活性の欠失は、幼児では致死的となることがある常染色体劣性疾患のプロピオン酸血症という病気と結びつけられている。PCCホロ酵素は、α6β6という十二量体で、分子量は750 kDaである。αサブユニットにはビオチンカルボキシラーゼ(BC)とビオチンカルボキシル運搬タンパク質(biotin carboxyl carrier protein;BCCP)ドメインがあり、βサブユニットはカルボキシルトランスフェラーゼ(CT)活性を担う。今回我々は、細菌のPCC α6β6ホロ酵素の分解能3.2 Åでの結晶構造と、ヒトのPCCと似た構造であることを示す分解能15 Åでの低温電子顕微鏡再構成像を報告する。この構造は、PCCの全体構造を明らかにしており、ホロ酵素中ではαサブユニットが予想外にも単量体として配置していて、中央のβ6六量体に添えるように配置されていることがわかった。αサブユニット中の今まで知られていなかったドメインは、BCとBCCPドメインの間にある残基によって形成され、βサブユニットとの相互作用に必須である。我々は、それをBTドメインと命名した。この構造は、ホロ酵素中のBCとCT活性部位の相対的な位置を初めて明らかにしている。これらは約55 Å離れていて、触媒反応の間にBCCPドメイン全体が位置を変えることを示している。BCCPドメインは、今回の構造ではβサブユニットの活性部位に位置しており、CT反応への関与に関する手がかりが得られる。この構造情報は、PCCに生じた疾病原因となる多数の突然変異を解明する分子基盤を確立し、3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ(MCC)や真核生物のアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)などの、ほかのビオチン依存性カルボキシラーゼのホロ酵素にも関係がある。

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