Letter 物理:局在モードを用いたナノスケール走査プローブ強磁性共鳴画像化 2010年8月12日 Nature 466, 7308 doi: 10.1038/nature09279 層状やナノ構造をもつ磁気デバイスにおける新現象の発見は、ナノ磁気学研究の急成長の原動力となっている。その結果生まれた巨大磁気抵抗磁場センサーやスピントルクデバイスなどの応用が、情報通信技術、磁気電子センシングやバイオ医薬品の進展を促進している。これらの、複雑で埋め込まれていることが多いナノスケール構造体の特性を調べられる高分解能磁気画像化手段は、緊急に必要とされる。従来の強磁性共鳴(FMR)によって、強磁性材料や相互作用する多成分磁気構造体に関する定量的な情報が分光学的精度で得られ、複雑なバルク試料の成分が、それぞれ異なる分光学的特徴により区別可能である。しかし、FMRにはナノスケールの体積をプローブするだけの感度がなく、画像化能力を欠く。我々は、スピン波局在化によるFMR画像化を実証する。強磁性体における強い相互作用は、広がった集団モードの励起には有利だが、強磁性共鳴力顕微鏡のマイクロ磁気プローブチップの空間的に閉じ込められた強い磁場を使えば、プローブ直下のFMRモードを局在化できることを示す。横方向寸法200ナノメートルの体積内に局在化したFMRモードが実証され、この寸法は、この方法の改良によって、数十ナノメートルにまで低減できる可能性がある。今回の研究結果は、この方法により、スピントロニクスから生体磁気に至る、さまざまな分野に用いられる強磁性体の特性評価に必要な微視的詳細情報が得られることを示している。この方法は、埋め込まれた磁性体や表面磁性体に適用でき、しかも共鳴法なので、局所的内部場などの磁気特性が分光学的精度で測定される。 Full Text PDF 目次へ戻る