Letter 医学:ヒトがんでの多様な体細胞突然変異パターンと経路変化 2010年8月12日 Nature 466, 7308 doi: 10.1038/nature09208 がんゲノム内の体細胞突然変異を体系的に調べることは、この病気の理解と標的治療の開発に不可欠である。本研究では、乳腺、肺、卵巣、前立腺の主ながんタイプとそのサブタイプからなる441の腫瘍に由来する1,507個のコード遺伝子を含む約1,800メガベースのDNAから2,576個の体細胞突然変異を見つけたことを報告する。腫瘍のタイプ、サブタイプのほぼ全体にわたって変異率、突然変異をもつ遺伝子の組み合わせは著しく多様であることがわかった。統計的解析で、有意に変異がみられる77個の遺伝子が明らかにされ、それらにはプロテインキナーゼ、GRM8、BAI3、AGTRL1(別名APLNR)、LPHN3などのGタンパク質共役受容体のほか、治療薬開発の標的が含まれる。体細胞突然変異とコピー数の変化について統合的に解析すると、このほかにGNAS を含む35の有意に変化した遺伝子が見つかり、多くのがんタイプでのGαサブユニットのさらに広い役割が示される。さらに、実験的解析で、変異型GNAO1(Gαサブユニットの1つ)と変異型MAP2K4(JNKシグナル伝達経路のメンバー)の発がんにおける機能的役割が証明された。我々の結果は、主なヒトがん全体についての突然変異スペクトルの概観を提供するとともに、いくつかの治療標的候補を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る