Letter 宇宙:複数レーザーガイド星を備えたグラウンドレイヤー補償光学系 2010年8月5日 Nature 466, 7307 doi: 10.1038/nature09311 環境が星形成に及ぼす影響を決定するには、我々自身の銀河系の中心付近に位置する、若くて大質量(太陽質量のおよそ104倍)の星からなる星団の極端な状況での過程を研究する必要がある。銀河面内での可視光の非常に大きな減光のため、観測は近赤外領域で行われなければならない。星団に含まれる星の固有運動からそれらを同定するためには高解像度が必要とされ、またこのような星団のほとんどは1′以上の広がりがあるため、効率的な観測には広視野が必要となる。現時点では、これら基準すべてを満たす観測機器は宇宙空間に存在しない。原理的には、地上に設置された望遠鏡にグラウンドレイヤー補償光学系(GLAO)を装着すれば、そのような観測が可能となる。GLAOは、高度およそ500 mまでの大気揺らぎによって生じる光学収差を除去するものである。複数レーザーガイド星を用いるGLAO系が、アリゾナ州の6.5 m MMT望遠鏡で開発された。これまでの検証で、このGLAO系は望遠鏡の解像度を30〜50 %改善したが、この結果は光学系の波面収差の制約を受けており、星団メンバーの迅速な測定を行うには不十分であった。本論文では、光学系のゆっくりと変動する収差を監視し除去するためのセンサー作動後に、球状星団M3のコアの観測を行った結果について報告する。0.7″の自然なシーイングで、2.2 µmの波長での点広がり関数は、少なくとも2′の視野にわたって一様に0.3″と鮮明化した。広角解像度は、以前の観測に比べて2〜3倍高くなり、一様性も向上して1.2 µmの波長に及ぶ。星団全体が1回の指向で調べられる可能性があり、星団を構成する星は、ちょうど1年の間隔でこのような観測を2回行うことにより決定できる。 Full Text PDF 目次へ戻る