Article 医学:血中脂質に関与する95個の遺伝子座の生物学的、臨床的および集団的関連 2010年8月5日 Nature 466, 7307 doi: 10.1038/nature09270 総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール、高密度リポタンパク質コレステロールおよびトリグリセリドの血漿濃度は、冠動脈疾患(CAD)の極めて重要なリスク因子であり、治療的介入の標的になっている。我々は、ヨーロッパに祖先をもつ100,000人を超える人々のゲノムを対象として、血漿脂質に関連する一般的な変異についてスクリーニングを行った。本論文では、有意な関連を示す(P < 5×10−8)95個の遺伝子座について報告する。そのうちの59個は、脂質形質とのゲノム全域にわたる有意な関連が初めて示される。新たに報告する関連には、既知の脂質調節因子(CYP7A1、NPC1L1、SCARB1など)の近くに存在する一塩基多型(SNP)や、これまでリポタンパクの代謝との関連が明らかにされていなかった多くの遺伝子座におけるSNPも含まれる。この95個の遺伝子座は、脂質形質における正常範囲内の変異だけでなく、極端な脂質表現型にも寄与しており、3つの非ヨーロッパ人集団(東アジア人、南アジア人およびアフリカ系アメリカ人)の脂質形質に影響を及ぼしている。今回の結果は、CADにも関連のある血漿脂質と関連する複数の新規遺伝子座を同定するものである。また、3つの新規遺伝子、GALNT2、PPP1R3BおよびTTC39Bについて、マウスモデルを用いて検証した。これらの知見を総合すると、リポタンパク質の代謝についてのより広範な生物学的解明を進め、CADの予防を目的とした新しい治療方法を突き止めるための基盤が得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る