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化学:価電子運動のリアルタイム観測

Nature 466, 7307 doi: 10.1038/nature09212

量子状態の重ね合わせによって原子および原子未満のスケールでの運動が駆動され、それらの状態のエネルギー間隔によって運動の速度が決まる。このことは、原子や分子の外殻(原子価殻)に存在する電子ボルトのエネルギーで隔てられた電子の場合、価電子の運動がサブフェムト秒から数フェムト秒の時間スケール(1 fs = 10−15 s)で起こることを意味している。完全な測定が存在しない場合、運動は複雑な量である密度行列によって特徴付けられる。今回我々は、原子状クリプトンイオンの価電子の密度行列について行ったアト秒ポンプ・プローブ測定について報告する。制御された数サイクルのレーザー場でイオンを生成した後、アト秒極端紫外パルスのスペクトル的に分解された吸収を介してそれらを調べた。これにより、数フェムト秒の時間範囲にわたって価電子のサブフェムト秒運動をリアルタイムで観測できる。量子力学的電子運動を完全に特性評価して、集団試料のコヒーレンス度を決定することが可能である。今回の研究では、単純で典型的な開放系を使っているが、アト秒過渡吸収分光法を分子や固体材料に適用すれば、物理学的、化学的、生物学的な特性や過程を制御している基本的な電子運動を明らかにできると考えられる。

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