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細胞:ヒト胚性がん細胞における改変型L1のレトロ転位によるエピジェネティックなサイレンシング

Nature 466, 7307 doi: 10.1038/nature09209

LINE-1(Long interspersed element-1、L1ともよばれる)のレトロ転位は、ヒトゲノムの進化に影響を与え続けている。L1は、生殖細胞系列、初期発生過程および特定の体細胞でレトロ転位できる。しかし、L1のレトロ転位に対する宿主応答はほとんど調べられていない。本論文では、さまざまなヒト胚性がん由来細胞株(EC)ゲノムに、L1のレトロ転位によって導入されたレポーター遺伝子が、その組み込み過程、あるいは組み込み直後に、迅速かつ効率的にサイレンシングされることを示す。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤でECを処理すると、このサイレンシングは速やかに解除され、また、クロマチン免疫沈降実験から、レポーター遺伝子の再活性化は、L1組み込み部位のクロマチン状態の変化に相関することが明らかにされた。我々のアッセイ条件下では、マウスL1およびゼブラフィッシュLINE-2エレメントによって、レポーター遺伝子をECに導入した場合にも、迅速なサイレンシングが観察されたが、モロニーマウス白血病ウイルスあるいはヒト免疫不全ウイルスによって同様のレポーター遺伝子をECに導入した場合は、迅速なサイレンシングは観察されなかったことから、これらの組み込みは異なる機構によって抑制されることが示唆される。また、分化を促進する培養条件でECを培養すると、L1のレトロ転位によって導入されたレポーター遺伝子のサイレンシングは減弱するが、分化自体は、既に抑制されたレポーター遺伝子を再活性化するのに十分ではないことを示す。したがって、我々のデータから、ECは、L1のレトロ転位によって導入されたレポーター遺伝子をサイレンシングする能力が、多くの分化細胞とは異なっていることが示される。

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