Article

遺伝:海綿動物Amphimedon queenslandicaのゲノムと動物の複雑性の進化

Nature 466, 7307 doi: 10.1038/nature09201

海綿動物は太古から存在する動物分類群の1つであり、6億年以上前に他の後生動物と分岐した。本研究では、グレートバリアリーフに生息する普通カイメン類の一種Amphimedon queenslandicaのゲノム概要塩基配列を報告し、その内容、構造、編成が、他の動物のゲノムと極めてよく似ていることを示す。このカイメンのゲノム配列解読により可能になった比較解析から、後生動物に普遍的な転写因子やシグナル経路、構造遺伝子の出現や拡張、多様化など、動物の起源や初期進化と関連したゲノム事象が明らかになった。この多様な遺伝子からなる「道具箱」は、あらゆる後生動物のボディープラン(体制)における重要な特性と相関し、細胞周期制御や増殖、発生、体細胞や生殖細胞の細胞運命指定、細胞接着、自然免疫、同種認識を含んでいる。注目すべきことに、動物の出現に関連する遺伝子の多くは、がんにも関係しており、がんは後生動物の多細胞性にかかわる基本過程の異常に起因している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度