Letter

宇宙:揮発性物質の含有量が地球のものと同じ月のアパタイト

Nature 466, 7305 doi: 10.1038/nature09274

月は、地球に比べてHやCl、アルカリ金属のような揮発性元素が少ないと考えられている。それにもかかわらず、月の爆発的火山活動の証拠から、月のマグマの一部は噴火中あるいは噴火前にCOやCO2に富んだ気相を離溶したと推論されている。ガラス小球内に他の揮発性物質が存在することの証拠もあるが、最近まで、月岩石に本来含まれる水素に関する疑う余地のない報告はなかった。本論文では、月の玄武岩14053に含まれる後期時代アパタイトの定量的イオンマイクロプローブ分析により、H、ClおよびSの濃度が地球の一般的な火成岩中にあるアパタイトのものと同程度であることを報告する。これらの揮発性物質の含有量は、マグマ変成後の揮発性物質の付加、もしくは約1,600 ppmのH2Oと約3,500 ppmのClを含む、後期時代における硫黄が飽和した間隙メルトからの成長を表している可能性がある。アパタイト形成に関する変成モデルと火成モデルは共に、少なくとも月物質の一部については、揮発性物質の量が、それに対応する地球物質と同程度であることを示唆している。考えられる仮説の1つは、月マントルまたは地殻の一部が今まで考えられていたよりも揮発性物質に富んでいるというものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度