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発生:ヒストンH4K20/H3K9脱メチル化酵素PHF8はゼブラフィッシュの脳と頭蓋顔面の発生を調節する

Nature 466, 7305 doi: 10.1038/nature09261

X連鎖性精神遅滞症候群(X-linked mental retardation;XLMR)は、知的障害を伴うヒトの複雑な病気である。約90個のX連鎖遺伝子に原因となる変異が見つかっているが、遺伝学的に明らかにされたこれらのXLMR遺伝子の多くについて、分子的、生物学的な機能はまだ解明されていない。PHF8(PHD(plant homeo domain)finger protein 8)はJmjCドメインを含むタンパク質で、XLMRや頭蓋顔面奇形の患者でその遺伝子に変異が見つかっている。本研究では、PHF8がモノメチル化ヒストンH4リジン20(H4K20me1)の初めて見いだされた脱メチル化酵素であり、ヒストンH3K9me1やH3K9me2に対しても活性があることの証拠を複数示す。PHF8は、ほぼ7,000のRefSeq遺伝子の転写開始点(TSS)付近や遺伝子本体、および非TSSである遺伝子間領域に存在している。PHF8を減少させると、TSSではH4K20me1やH3K9me1の増加が、非TSSではH3K9me2の増加がそれぞれみられ、異なる標的部位では異なる基質特異性をもつことが示された。PHF8は遺伝子発現を正に制御し、その活性はH3K4me3結合PHDと触媒ドメインに依存する。重要なことに、患者にみられる変異を導入すると、PHF8の触媒機能が著しく低下する。PHF8はゼブラフィッシュの脳と顎の発生において細胞生存を調節しており、これは、PHF8患者にみられる臨床症例の理解におそらく関係する生物学的状況を示している。遺伝学的および分子生物学的証拠は、複数のシグナル伝達経路や発生経路の下流で機能するホメオドメイン転写因子MSX1/MSXBの発現を直接的に調節することにより、PHF8がゼブラフィッシュの神経細胞の生存と顎の発生を部分的に調節しているというモデルを裏付けている。今回得られた知見は、ヒストンメチル化動態に生じた不均衡が、XLMRに極めて重要な役割をもつことを示している。

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