Letter

環境:環境変動に応じた体重増加と集団拡大の共役的動態

Nature 466, 7305 doi: 10.1038/nature09210

環境の変動は、多くの生物種のフェノロジー(季節的挙動)、形態的形質、および集団動態に変化をもたらしている。しかし、こうした連携的反応の基礎となっている関連はほとんど明らかにされていない。それは、長期的データが不十分で、適切な分析の枠組みを欠くからである。今回我々は、動的な亜高山帯環境に棲む冬眠する哺乳類(キバラマーモット)の長期的(1976〜2008年)データセットと新しい方法論を用い、環境変動に対する表現型的反応と個体数動態の反応との関連性を調べた。冬眠からの目覚めおよび仔の離乳が早いほど、成長期が長くなって冬眠前の体重が増大することがわかった。それにより、表現型と、表現型要素と適応度要素の間の関係性が共に変化して、成体の死亡率が低下し、それがさらに近年の集団サイズの急拡大につながった。環境変動の直接的作用と形質媒介的な作用は、集団の拡大にみられる顕著な加速に対して同程度に寄与していた。今回の結果は、フェノロジー的な変化が表現型と個体数動態の変化を同時に引き起こしうる仕組みを説明する一助になるとともに、確率的な環境での生態学的動態と進化的動態とを統合する理論が必要であることをはっきり示している。

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