Letter 気候:湖沼堆積物中での温度によって制御される有機炭素無機化 2010年7月22日 Nature 466, 7305 doi: 10.1038/nature09186 泥炭地、土壌および海床は、有機炭素の集積場所としてよく知られており、重要な全球的な炭素シンクである。湖沼と貯水池における有機炭素の年間埋没量は海洋堆積物のそれを上回っているが、これらの内陸水は、全球炭素循環の構成要素の中ではあまり注目されていない。堆積物の上へ堆積しつつある有機炭素のうち、一部は無機化され、残りは地質学的な時間スケールで埋没される。本論文では、スウェーデンの亜寒帯湖における横断的な湖水系の調査で得られた堆積物中の有機炭素の無機化と温度の関係を、気候、生産力および有機炭素ソースが異なる広い範囲の湖沼から得られ公表されたデータをまとめたものを使って評価する。湖沼堆積物中の有機炭素の無機化は、温度と強い正の相関があることがわかった。この結果は、水温が高いほど無機化が進行し、有機炭素の埋没が少なくなることを示唆している。湖沼堆積物への将来の有機炭素の送達が現在の条件下における送達と同程度だと仮定すると、「気候変動に関する政府間パネル」によって提示された最新のシナリオに従う気温上昇によって、亜寒帯湖における有機炭素の年間埋没量が、4〜27パーセント(0.9〜6.4 Tg Cyr−1)減少すると推定される。 Full Text PDF 目次へ戻る