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進化:線虫の進化におけるホルモンシグナル伝達モジュール、ダファクロン酸–DAF-12の転用

Nature 466, 7305 doi: 10.1038/nature09164

形態学的新奇性とは、新しい機能を提供する系統特異的形質である。発生の表現型多型は表現型進化を促進する因子と考えられているが、関連する遺伝的要因と環境要因間の相互作用については、ほとんどわかっていない。今回我々は、線虫(Pristionchus pacificus)の口器の2種類の異なった形態と、線虫の細菌摂食と真菌や他の線虫を補食する行動に関係する歯様構造の形成について調べた。この小歯状突起は進化的新奇性の例であり、線虫の一部のファミリーDiplogastridaeだけに限定され、Caenorhabditis elegansや類縁の線虫にはみられない。我々は、この口器の二形性が、飢餓と内分泌切り替え機構の転用(co-option)によって制御される表現型多型であることを明らかにする。核内ホルモン受容体DAF-12の変異とそのリガンドであるステロールホルモンのダファクロン酸の存在が、この切り替え機構に強く影響する。ダファクロン酸–DAF-12モジュールは、C. elegansでもP. pacificusでも休眠状態のdauer耐性幼虫の形成を制御すること、並びに、遠縁の線虫でも類似した生活史上の出来事の決定にかかわることが知られている。耐性幼虫形成と口器形態の切り替えの比較から、ダファクロン酸シグナル伝達の閾値の違いによって特異性が生じていることがわかった。今回の研究により、ホルモンシグナル伝達が環境変化と遺伝的調節を組み合わせることによって作用する仕組みが示され、ダファクロン酸が線虫の進化において重要なホルモンであることが明らかになる。

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