Article 細胞:ヒトのオートファジー系のネットワーク構成 2010年7月1日 Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09204 オートファジーは、タンパク質や細胞小器官をオートファゴソームという小胞内に隔離し、リソソーム/液胞に運んで分解する過程で、細胞の安定なタンパク質や欠陥タンパク質の代謝回転の主要経路である。オートファジー系の異常は、さまざまなヒトの病気に結びつく。オートファゴソームの形成と積み荷の補給を制御する、保存されたプロテインキナーゼ系、脂質キナーゼ系、ユビキチン様タンパク質結合系などのサブネットワークは判明しているが、この系の全体的な構成についての理解はまだ不足している。今回我々は、(基本的)オートファジーが進行中という条件下のヒト細胞でオートファジー相互作用ネットワークのプロテオーム解析を行い、409種の候補タンパク質の間に751の相互作用があり、サブネットワーク間も広範囲にわたって接続されているネットワークを明らかにした。オートファジー相互作用ネットワークの新成分の多くは、小胞輸送、タンパク質や脂質のリン酸化、タンパク質のユビキチン化などにかかわっており、これらの成分をRNA干渉によって大幅に減少させると、オートファゴソームの数や増減に影響が出る。ATG8のヒトオルソログ(MAP1LC3/GABARAPタンパク質)6種は67種類のタンパク質と相互作用し、ATG8ファミリーメンバーの間では結合相手に幅広い重複がみられた。これらATG8タンパク質の相互作用には、相手タンパク質のLC3結合領域と結合することが知られている保存された表面領域がかかわる場合が多い。今回の研究により、哺乳類のオートファジー相互作用の全体像が明らかになり、タンパク質ホメオスタシスに重要なオートファジー経路の機構を分析する基盤が得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る