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生態:有機農業は、均衡度と自然な有害生物防除を促進する

Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09183

ヒトの活動は、種の数(豊富さ)を減少させ、種の相対的存在量(均衡度)を偏らせるため、生態系の機能を悪化させることがある。生態系のさまざまな過程に種の豊富さが及ぼす影響の表れとして、生態系保全の努力は、種の数の回復や維持に焦点をしぼって行われることが多い。これに対して、均衡度の破壊が生態系に及ぼす影響に関心が払われることははるかに少なく、均衡度回復のための戦略を考えることは難しい。農地では、有害生物の防除処置によって食物網構造が変化し、生物群集が数種類のよくみられる生物種だけに占有されるようになることが多く、これらが有害生物の爆発的発生の一因となっている。今回我々は、有機農法が、天敵の均衡度を高めることによって、生態系への悪影響を低減することを示す。野外のエンクロージャー(囲い地)では、有機農地に典型的にみられる、捕食者と生物的病原防除者の均衡度の高い生物群集が、最強の害虫防除効果を及ぼし、植物生産量が最大になった。これに対して、従来型農法で典型的にみられるように天敵の均衡度が損なわれると、病害虫密度が高まり、植物バイオマスが減少する。この結果は、数の多い捕食者の種類あるいは病原体の種類には無関係だったので、均衡度自体から生じた結果であるといえる。また均衡度の天敵群間での影響は、それぞれ別個で、重なっていなかった。これらの結果は、生態系機能の活性化には、種の豊富さだけでなく種の均衡度の回復が必要であるという主張を裏付けている。有機農法は、生態系に均衡度を取り戻す手段になる可能性がある。

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