Article 遺伝:細菌における遺伝情報の流れの空間的組織化 2010年7月1日 Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09152 真核細胞は、翻訳やmRNA分解などのmRNAがかかわる過程を空間的に組織化している。成熟mRNAの空間的分布がはっきりしない細菌細胞では、組織化についてわかっていることはずっと少ない。今回我々は、定量的蛍光in situハイブリダイゼーションに基づく高感度な方法を用いて、Caulobacter crescentusと大腸菌(Escherichia coli)で染色体から発現されたmRNAの大部分が、その寿命を通じて、転写された場所からの分散範囲が限られていることを示す。見かけ上の拡散係数は、自由拡散するmRNAで予想される値に比べて少なくとも2桁低いと見積もられ、C. crescentusではこのmRNAの局在化がリボソームの移動度を制限することを証拠立てている。さらに、C. crescentusのRNアーゼEは、そのmRNA基質とは関係なくDNAと結合しているようにみえる。まとめると我々の知見は、細菌は染色体の配置を鋳型として用いることで、翻訳、そしておそらくはmRNA分解を空間的に組織化可能であることを示している。染色体を軸としたこのような組織化は、細胞生理および細菌での遺伝子発現の解明に重要な意味をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る